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鳥インフルエンザ

更新日 (last updated):2025年6月26日

概要

鳥インフルエンザは、鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスを病原体とする感染症である。主な感染経路は、感染した鳥類やその臓器、排泄物、死体などへの接触である。発熱や呼吸器症状を呈し、重症例では呼吸窮迫症候群や呼吸不全となり死亡することがある。

病原体

病原体は、鳥類に対して感染性を示すA型インフルエンザウイルスで、H5N1やH7N9など複数の亜型がある。カモやアヒルなどの水禽類が自然宿主である。これらのウイルスは通常はヒトに感染しないが、感染した鳥類または哺乳類と濃厚接触をした場合に、まれにヒトに感染することがある。

疫学

鳥インフルエンザは世界各地で散発的に発生しているが、これまでのところ、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていない。日本においては患者の報告はない。

感染経路

主な感染経路は、感染した鳥類やその内臓、排泄物、死体、または感染した哺乳類(死骸を含む)などに接触することによる。

臨床像

潜伏期間は2から8日。発熱や呼吸器症状を呈し、重症例では呼吸窮迫症候群(ARDS)や呼吸不全となり死亡することがある。

病原体診断

咽頭拭い液、喀痰などの呼吸器検体からのウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子検出、血清学的検査による。

治療

抗ウイルス薬による治療が行われる。

予防法・ワクチン

流行地域では鳥類との接触を避け、家きん市場や生きた鳥類、鳥類や哺乳類の死骸に近づかないことが重要である。手洗いや咳エチケットが有効である。

承認されたワクチンはない。

法的取り扱い

感染症法では、H5N1及びH7N9の亜型の鳥インフルエンザは二類感染症に、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは 四類感染症に定められている。

学校保健安全法では、H5N1の亜型の鳥インフルエンザは第一種感染症に、それ以外の亜型の鳥インフルエンザは第二種感染症に定められている。

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