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クレードIbのエムポックスについて

2026年5月12日

国立健康危機管理研究機構

本文書では、国内外の保健機関や研究機関が発表した公式文書に基づいた情報が記載されています。そのため、報道機関向け会見等での発表情報は含まれていません。
国内外の保健機関や研究者が調査中のため、本文書の公開日から情報が大きく更新されている可能性があります。最新の情報をご確認ください。

1.エムポックスの概要

エムポックスは、モンキーポックスウイルス(別名 エムポックスウイルス:MPXV)感染による急性発疹性疾患である。感染症法では4類感染症に位置付けられている。2022年5月以降、主に男性間での性的接触を行う男性(Men who have sex with men: MSM)を中心としたクレードIIbエムポックスウイルスによるエムポックスの国際的な流行が発生した。2023年以降はコンゴ民主共和国(DRC)の東部を中心としてアフリカ地域でクレードIbエムポックスウイルスによるエムポックスの流行が発生し、欧州ではクレードIIと同様にMSMを中心とした感染伝播が報告されている。

2.エムポックスの発生状況

  • 国外でのクレードIbのエムポックスの発生状況
2023年にDRCの南キブ州での感染伝播が報告されて以降、アフリカ地域、欧州地域、アメリカ地域を中心に59か国からクレードIb感染例が報告されている。アフリカ地域では性的接触と、性的接触により感染した者からの家庭内濃厚接触による感染伝播が報告されているほか、欧州地域では、MSMを中心とした性的接触による感染伝播が報告されている。

  • 国内でのエムポックスの発生状況
国内では2022年7月25日(令和4年第30週)以降、2026年4月19日(令和8年第16週)までに感染症発生動向調査において313例のエムポックスの報告があった。2026年は、疫学週第16週までに39例が報告され、東京都33例、神奈川県5例、千葉県1例と、いずれも関東地域から報告されている。
クレードIbエムポックスウイルスの感染例は2025年に推定感染地域が国外とされる1例が報告されている。その他のクレードが判明した症例は、すべてクレードIIbであった。
また、2026年第17週には、東京都から推定感染地域が国内の可能性があるクレードIb感染例1例が報告された。さらに第18週にも東京都から推定感染地域を国内とする2例が報告された。

感染症発生動向調査システムに届け出されたエムポックスの診断週別報告数(n=313, 診断週:2022年(令和4年)第30週~2026年(令和8年)第16週)
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3.リスク評価と推奨

  • アフリカ地域以外でのエムポックスの感染経路は、クレードに関わらず性的接触を含む濃厚な接触が中心であると報告されている。国内での感染が推定される症例の報告があったものの、これまでの報告同様、性的接触を中心とする接触感染による感染と報告されている。これまで同様に一般的な生活環境で感染するリスクは極めて低く、接触感染対策により予防することが可能である。
  • クレードに関わらず、致命率は過去の報告より低く、適切な支持療法により低下すると報告されている。一方で、免疫不全がある場合には重症化リスクが高いことから、適切な診断、治療体制の提供が重要である。

    参考文献

    WHO. Global Mpox Trends. Published Apr. 27, 2026.
    https://worldhealthorg.shinyapps.io/mpx_global/.

    東京都感染症情報センター. 東京都感染症週報.
    https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/weekly/.

    厚生労働省. エムポックス.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html.

    厚生労働省.エムポックス診療の手引き第4版.
    https://www.mhlw.go.jp/content/001683955.pdf.

    国立健康危機管理研究機構. 感染症情報提供サイト. エムポックス.

    国立健康危機管理研究機構. 感染症発生動向調査週報一覧.


    作成

    ウイルス第一部
    応用疫学研究センター
    感染症サーベイランス研究部
    感染症疫学センター
    感染症危機管理研究センター

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