コロナウイルス感染症
概要
コロナウイルス感染症は、コロナウイルスを病原体とする感染症の総称である。本項では急性上気道炎(風邪)の病原体の一部であるヒトコロナウイルスによる感染症について取り上げる。
それぞれ特徴の異なるコロナウイルス感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS) 、中東呼吸器症候群(MERS)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、関連する疾患を参照のこと。
ヒトコロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染である。おおむね冬季にまとまった流行がみられるが通年で流行し、 咳、鼻汁などの軽微な上気道炎症状を起こす。ヒトのほとんどが小児期から感染し、以降、生涯にわたり繰り返し感染する。
病原体
コロナウイルスは、コロナウイルス科に属する1本鎖RNAウイルスである。日常的に感染し風邪症状を起こすヒトコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)にはHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種がある。
疫学
世界中で報告があり、おおむね冬季にまとまった流行が見られるが、通年で流行している。
ヒトのほとんどが小児期から感染し、以降、生涯にわたり繰り返し感染する。
感染経路
主な感染経路は飛沫感染である。
臨床像
潜伏期間は数日とされる。一般的に軽症で咳、鼻汁などの上気道炎症状を呈するのみだが、乳幼児、高齢者等では重症化する可能性もある。
病原体診断
鼻咽頭拭い液を用いたウイルス遺伝子検出による。
治療
特異的な治療法はなく、対症療法が中心である。
予防法・ワクチン
手洗いや咳エチケットなどの飛沫予防策、接触予防策が有効である。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
ヒトコロナウイルスによる感染症は、感染症法における、五類感染症の定点把握対象疾患である急性呼吸器感染症(ARI)に含まれる。