麻しんQ&A(医療機関での麻しんの対応について)
- Q1. 麻しん(ましん、はしか)について→
- Q2. 麻しんのサーベイランスシステムと今年の流行について→
- Q3. 医療機関での麻しんの対応について(このページ)
- Q4. 海外での麻しんの状況→
Q3:医療機関での麻しんの対応について
- Q3-01 医療機関職員の麻しん対策は
- Q3-02 麻しん疑い患者の外来対応は
- Q3-03 入院中に麻しんと判明した場合の対応は
- Q3-04 免疫不明の医療従事者が接触した場合の対応は
Q3-01:医療機関職員の麻しん対策は
すべての職員(実習生含む)に対し、雇用時もしくは雇用前に、麻しんワクチン接種歴や麻しん罹患歴を聴取し把握するなど、平時からの対策が重要です。職員の記憶があいまいな場合や、ワクチン接種後の抗体価の低下によって麻しんに罹患するリスクをもつ人もありますので、麻しん抗体価の検査を、雇用時、雇用前あるいは健康診断時に行なうことが勧められます。
麻しん未罹患かつワクチン未接種あるいは1回接種、または、麻しん抗体価検査により抗体陰性または抗体価が低いと判断された場合は、任意となりますがワクチン接種を勧めると良いでしょう。医学的な理由等により接種できない場合には、麻しんを疑う患者あるいは麻しん患者との接触を避けるような勤務態勢を構築しておくとよいでしょう。
詳細については、「日本環境感染学会 医療関係者のためのワクチンガイドライン第5版(2026年4月時点)」(https://www.kankyokansen.org/wp-content/uploads/vaccine-guideline_05.pdf)および「医療機関での麻疹の対応ガイドライン第二版」をご覧ください。
Q3-02:麻しん疑い患者の外来対応は
接触者調査の対象者が何らかの症状を発症した場合などで、麻しん疑いの患者が外来を受診する場合は、他の患者とスペースを共にしないよう、来院時に別室へ誘導します。麻しん疑いの患者がすでに来院している場合は、速やかに別室へ誘導し、出来るだけ早く診察をするよう配慮する必要があります。
発熱患者の対応にあたるスタッフは、原則として、麻しん抗体価検査によりすでに抗体陽性が確認されているか、麻しんに罹患したことが確実な者、麻しん含有ワクチンの接種歴が2回記録で確認されている者に限定します。
麻しんは空気感染する疾患ですので、N95マスク、あるいはそれ以上の性能のマスクを着用が推奨されます。
麻しん疑いの患者に対しては、麻しんの罹患に関する臨床的評価を行ないます。
医師は、臨床診断をした時点で臨床診断例として届出をします。また、血清中の抗麻しんウイルスIgM抗体検査等の血清抗体価の測定を実施します。都道府県等が設置する地方衛生研究所においては、ウイルス遺伝子検査等を実施します。
血液(EDTA血あるいはクエン酸血)、尿、咽頭ぬぐい液(できれば3点セット)を、管轄の保健所を通じて地方衛生研究所へ搬送してください。詳細は管轄保健所へお問い合わせください。
麻しん罹患歴が確認できていないスタッフあるいは、麻しん抗体陽性が確認できていないスタッフが、麻しん患者と接してしまった場合の対応は、Q3-04および「医療機関での麻しんの対応ガイドライン第二版」をご覧ください。
Q3-03:入院中に麻しんと判明した場合の対応は
麻しんと判明した場合、もしくは麻しんが疑われた場合、患者を速やかに隔離します。
次に、同じ病棟内、同じ階、空調を共有している病棟に入院中の患者、勤務していた職員、病棟内で実習している学生、教官、患者の付き添いを含めて全員をリストアップするとともに、患者の入院時から麻しんの診断がつくまでの行動歴を調べます。患者の他科の受診など、別の病棟の医療従事者との接触歴についても、迅速かつ詳細に調査し、該当するの人々全員に対し、麻しんの罹患歴やワクチン接種歴を調べます。(小児や若年成人が多く入院する病棟においては、入院時にこれらの調査が行われているように平時からの対応が重要です。)
麻しんに対する抗体陽性が確実である人以外に対しては、直ちに全員の抗体検査を実施します。抗体測定方法は、CF法以外で、最も迅速に結果が出る方法を選択します。抗体陰性あるいは、不十分であることが判明した人については、ワクチン接種不適当者ではないことを確認した上で、速やかに麻しんワクチン接種を検討します。麻しん患者と接触後3日以内であれば緊急ワクチン接種により発病を予防する可能性があります。また、接触後4日以上6日以内であれば免疫グロブリン製剤を接種する選択肢もあります。
いずれの方法も確実ではありませんので、抗体陰性あるいは不十分であったものは、感染の可能性がある日から5日から3週間(グロブリン製剤を投与した場合は4週間まで)、発症する可能性がありますので、麻しん感受性者(麻しんに対する免疫を持たない人)とは完全に隔離する必要があります。当該職員については、勤務の中止、あるいは麻しん感受性者とは確実に隔離することが求められます。
もし、抗体陰性あるいは、不十分であることが判明した人が発熱を認めた場合は、速やかに麻しんの可能性を考えて、隔離します。
詳細については、「医療機関での麻疹対応ガイドライン第二版」をご参照ください。
Q3-04:免疫不明の医療従事者が接触した場合の対応は
麻しん患者と接触後3日以内であれば、緊急ワクチン接種により発症を予防できる可能性があります。医療従事者が麻しん患者と接触した場合には、速やかに麻しん抗体価を確認し、抗体価が陰性、または陽性であっても不十分な場合は、緊急ワクチン接種を検討します。
ただし、抗体検査の結果判明に時間を要する場合は、発症予防効果が期待できる3日以内の機会を逃さないよう、抗体検査を行わずにワクチン接種を実施することも有効と考えられます。
また、接触後4日以上6日以内であれば、免疫グロブリン製剤の投与という選択肢もあります。ただし、血液製剤であることや、健康保険が適用されるのは筋注用製剤に限られること、接種量が多く疼痛を伴うことなどから、適応については慎重な検討が必要です。
いずれの方法も100%の発症予防を保証するものではありません。Q5-03の内容も踏まえて対応を検討するとともに、このような事態を防ぐため、職員雇用時は、予防接種歴の確認や麻しん抗体検査を実施することが推奨されます。
詳細については、「日本環境感染学会 医療関係者のためのワクチンガイドライン第5版(2026年4月時点)」および「医療機関での麻疹対応ガイドライン第二版」をご参照ください。
「日本環境感染学会 医療関係者のためのワクチンガイドライン第5版(2026年4月時点)」
https://www.kankyokansen.org/wp-content/uploads/vaccine-guideline_05.pdf
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2007/073091/200726017A/200726017A0014.pdf
Q4. 海外での麻しんの状況 →
