レジオネラ症
概要
レジオネラ症は、レジオネラ属菌を病原体とする感染症である。主な感染経路は、病原体に汚染されたエアロゾルの吸入である。倦怠感や発熱、呼吸器症状を呈し、重症化すると呼吸困難や心筋炎などを合併し、死亡することがある。
病原体
原因菌はLegionella pneumophilaを代表とするレジオネラ属の細菌である。ヒトに吸入され肺胞マクロファージ内で増殖する細胞内寄生細菌である。
疫学
世界中で報告がある。
日本では一年中見られ、 中高年男性での報告が多い。
感染経路
主な感染経路は、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルの吸入で、冷却塔、加湿器や循環式浴槽などがエアロゾルの発生源となる。腐葉土や土砂の粉じんの吸入でも感染が報告されている。ヒトからヒトへの直接的な感染はない。
臨床像
潜伏期間は2から10日程度(通常3から6日)。病型は、レジオネラ肺炎と一過性のポンティアック熱の二つに分類される。
レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、咳、38℃以上の発熱、胸痛、呼吸困難、下痢などの症状を呈し、昏睡や幻覚などの中枢神経症状を伴うこともある。
ポンティアック熱では、発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられるが、自然に治癒する。
病原体診断
病原体の分離・同定、抗原の検出、遺伝子検出、血清学的検査による。
治療
抗菌薬による治療が行われる。
予防法・ワクチン
加湿器や浴槽の水の交換や洗浄により、環境を清浄に保つことが重要である。腐葉土や土砂の取り扱いにはマスクを着用するなど、病原体に汚染された粉じんを吸い込まない対策が重要である。
国内で承認されたワクチンはない。
法的取り扱い
感染症法における四類感染症に定められている。
関連情報
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